二つの出来事を通して、戦争と平和について考える

― 嘉麻市 碓井平和祈念館での学習 ―
― 原水爆禁止、核廃絶を求める「平和行進」 ―

<7月2日日曜日>
福岡県嘉麻市にある碓井平和祈念館(うすいへいわきねんかん)に行ってきました。

1996(平成6)年に図書館との複合施設として開館し、「戦争」と「人権」の二つをキーワードに「平和」について考え・学ぶという施設です。
館内には戦争に関する様々な資料が展示され、今となっては大変貴重な戦争体験者の証言コーナーも設けられています。
また、正面玄関の前には星野村(現在の八女市)から分火された「平和の火」が灯っています。

祈念館のパンフレットによれば『平成8年4月27日、碓井町(現嘉麻市)は、原爆の悲惨さ及び愚かさ、平和の尊さを永久的かつ広範囲に伝え広めるとともに、豊かな未来を願い、「平和の塔」から火の分火を受けました』とあります。当時の54人の子どもたちによって、全行程63.1㎞を徒歩でリレーしながら、碓井町まで運ばれたそうです。
ある教職員の方が一度訪れて「もう一度行ってみたい」と言っていたので、私も行ってみたいなあと思っていました。展示内容はすばらしいもので、戦争と平和について考えさせられるものでした。

当日は、お忙しい中(日曜日!)にも関わらず、嘉麻市教育委員会の生涯学習課文化財係の松浦宇哲(たかあき)係長さんが、懇切丁寧にお話をしてくださいました。おかげで、展示資料の内容が、より深く理解することができました。本当にありがとうございました。

ウクライナとロシアの戦争をきっかけに、中国と台湾、北朝鮮情勢を口実に軍拡路線を推し進めようとする日本をはじめとする各国の為政者たちに、展示室の片隅に書かれていた次の文章を読んで、しっかりと心に刻み付けていただきたいと強く願いました。

「戦後75年を越え、日本で近代の戦争を記憶している人々は少なくなった。そしてこれからはもっともっと少なくなる。今、断片となって消え去ろうとしている戦争の記憶を我々はつなぎとめておかなければならない。(中略)
武力頼みの「平和」が憎しみの連鎖を生み出すことは、これまで世界で幾度となく繰り返されてきた戦争をみればあきらかだ。だからこそ、過去の戦争を学び、武力に頼らず「平和」を育む努力がこれからいっそう必要となってくるはずである」

自然に囲まれた環境の良いところでした。みなさんも一度訪ねられてはいかがでしょう?

<7月4日火曜日>
原水爆禁止を訴える「平和行進」に参加。コロナでしばらくできなかった平和行進ですが、久しぶりに核兵器廃絶や脱原発を訴えました。

行進の前に、臼杵市長に「平和行政」の積極的な取り組みや核兵器反対と平和教育の推進を要請しました。要請書を手渡した後、臼杵市長と意見交換を行いました。

原発などでは微妙な立場の違いは感じたものの、核兵器の使用する戦争は反対や、戦争になる前に平和的外交を進めるなど、反戦・平和というところでは意見は共通でした。同様に、臼杵市議会議長にも要請を行いました。

その後、昨日までの大雨は嘘のようにあがり日差しも差す中、臼杵地区平和運動センターの仲間とともに、臼杵市内を約1時間少し行進しました。

蒸し暑さを感じながら、熱中症に気をつけて休憩をはさみながら、全員で歩き通しました。行きかう車の中はよく見えませんが、市民のみなさんに少しでも訴えることができたと思います。

先ほど、テレビ番組で知りましたが、今年は漫画『はだしのゲン』が雑誌に初めて掲載されて50年目だそうです。核兵器や原発について、唯一の被爆国民として今一度しっかりと考えねばならない時です。